高齢化が急速に進む日本社会で、バリアフリー完備の住宅が必要になってきました。バリアフリーは住宅のあらゆる部分で行われ、内装といわれる住宅内のさまざまな部分でもバリアフリーのリフォームが実施されています。今回は内装のバリアフリー化について紹介します。
1. 内装とバリアフリーについて
高齢化社会が進み、住宅のバリアフリーが急務といわれるようになりました。住宅のさまざまな部分にバリアフリーが行われています。
そのようななか、「内装のバリアフリー」といいますが、「内装」も「バリアフリー」も今一つはっきりと説明ができない面もあるようです。最初に、「内装」と「バリアフリー」について紹介します。
1-1. バリアフリーとは
バリアフリーは、高齢者や障害者などが日常生活を送る上で、「不便」「難しい」と感じる「バリア」といわれる「障壁」をフリーにすること、つまり、除去することです。基本的には、除去する物は形のある物理的な対象だけでなく、社会的・制度的・心理的な障害などすべて障壁となっているものを除去するという考え方です。「妨げになっていることをなくす」のがバリアフリー本来の考え方といえます。その手始めが身近な住居のバリアフリーです。
1-2. 内装とは
内装（ないそう）は、住宅内部のさまざまな装飾や設備が該当します。具体的には家財道具を除く、壁や天井からカーテンやブラインド、フローリングなどまで、室内装飾や室内にある設備全般があたるのです。内装には安全性を確保するために、「内装制限」という「建築基準法」による制限が定められています。3階建て以上の建築物や、火気を扱う台所や浴室には、内装を不燃性や難燃性の建材を使わなければなりません。また、内装工事を実施する業者は建設業許可が必要で、専門的な知識と技術を有しています。
2. バリアフリーの内装工事
内装のバリアフリー工事は種類も多くさまざまな場所が該当します。該当する箇所について、以下で詳しく紹介します。
2-1. 壁のバリアフリー
壁のバリアフリーは、床に段差のある箇所や、階段の壁や廊下などに手すりを取り付け、転倒防止となる対策を講じることです。
大部分の壁の内部は木材の柱に石膏ボードを設置し、上に壁紙のクロスを貼っています。壁の内部は空間部分が多く、手すりをしっかり取り付けなければ簡単に取れることもあるため、業者に設置してもらいましょう。
2-2. 床のバリアフリー
床のバリアフリー工事もあります。部屋と廊下の高さを合わせて平らにし、高さを合わせるバリアフリーです。高齢者には数センチの高さの違いが、つまずきの原因になります。室内の段差は極力避けましょう。また、床のバリアフリーとして、床の材質を柔らかいものへ変更する対策があります。床に厚いカーペットを敷いたり、コルクタイルにしたりするバリアフリー対策は、転倒時の衝撃を吸収してくれます。
2-3. 畳の張替え
畳にも「バリアフリー畳」があります。薄いタイプの畳ですが、廊下やフローリングの部屋と、畳を敷いた和室との段差をなくしてくれるのです。乳幼児や高齢者はわずかな段差もつまずきの原因になります。バリアフリー畳は段差が解消され、乳幼児から高齢者まで安心して暮らせる住まいを実現してくれるのです。バリアフリー畳の厚みは12mm～20mmで、クッション性に優れています。薄くても足にもやさしい弾力性が維持されています。
3. 補助金が出る
バリアフリー改装にあたり、補助金が出るケースもあります。介護保険や自治体から補助金がもらえるケースです。
3-1. 介護保険からの補助金
要介護者などのために住宅をバリアフリーにリフォームした際に、住宅改修費の7割～9割相当が、介護保険から補助金として支給されるケースがあります。なお、支給限度基準額は20万円です。支給の対象となる工事は以下の内容になります。
手すりの取付け
段差の解消
滑り防止及び移動の円滑化等のため、床や通路面の材料の変更
引き戸等への扉の取替え
洋式便器等への便器の取替え
その他、上記の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修
3-2. 自治体からの補助金
自治体によりますが、バリアフリー改装向けの補助金制度を備えた自治体もあります。適用される条件や申請時期は各自治体によって異なるため、バリアフリー工事施工前に確認しておきましょう。着工前申請が条件になっている自治体も多くみられるので、注意が必要です。
4. まとめ
高齢化が進む日本では、住宅のバリアフリーが急務です。バリアフリーを意識したリフォーム工事も年々進化しています。住宅の内装といわれる部分もバリアフリー対策が実行可能です。補助金が出ることもあるので、バリアフリー工事を実施しましょう。
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